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第7回目は、筑北村の(有)にしき興業で主任技術者を務める南方まゆみさんです。
南方さんは京都出身! 京女の南方さんが何故長野県に? 何故建設業に!?
山崎社長にも同席いただき、じっくりお話を伺いました。

有限会社にしき興業で主任技術者を務める南方まゆみさん

--いわゆるIターンですよね。どうして長野県・筑北村だったのですか?girl4

母の子供時代の疎開先が筑北村だったんです。当時の母の友人が、何十年ぶりに訪ねて来て下さったのがきっかけで遊びに来た際、両親と共に『なんと良いところだろう』と。(笑)

兄もスキーが趣味でしたし、セカンドハウスとして古民家を両親が購入しました。
その後、父が病気となり療養を兼ねて移住という話になり、私も子育てには良い環境だと思って、思い切って一緒に移住を決めました。平成5年のことです。

--何故建設業に?

最初は農協に勤めました。2年ほど勤めたのですが、JA松本ハイランドとの合併があり
転勤があるかもしれないと言われたんです。子供も小さかった事もありますし、父も具合が悪かった・・・・
転勤の無い村内に居たかったんですよね。にしきの社長に『何でもやります』とお願いしたんです。(笑)

--山崎社長さん、最初から技術者としてお考えになったのですか?

此処の地区には当時2人ほど女性の技術者が居たんだよ。それで『技術者になってみないか。イチから教えてやる』とね。

--女性の技術者を育てるって不安は無かったんですか?girl5

不安も何も感じる間も無く根性があったからね。1年ほどで覚えたし、基礎から教えたな。当時は林道の仕事が多かったから、よく一緒に行ったなあ。

--南方さん、最初から社長と一緒に現場へ?

そうそう、しょっぱなから林道。(笑)
こーんな斜面で(手で角度をとりつつ)測量から社長と一緒。
光波測距儀から覗くミラーの先で社長の顔が怒ってる。(笑)でも一緒だった男性技術者さんが『俺に任せておけ、俺のやることが正しい』と。心強かった~~。

--現場に携わりながら土木施工管理技士の資格取得って大変だったのでは?

平成7年に入社して2年位で2級土木施工管理技士、そこから4・5年ほどして1級取得だったと思います。
子供と一緒に勉強していました。だから苦じゃなかった。私も教本広げて勉強、子供も一緒に宿題、ノート並べてね。子供にとっても、隣でお母さんも一緒に勉強している– のが自然の流れだったのでかえって良い習慣になったと思いますよ。

--笑顔で答えてくれましたが、いやあ・・・大変だったと思います

--長野県建設業協会では、協会HPの『道路河川管理情報システム』から、管理者に対し災害情報を伝達する取り組みをしています。災害対策に役立たせようと、災害状況を普段使用している携帯で写真撮影し、GPS機能を使って地図情報と写真を発信、管理者との情報共有に取り組み、稼動していますが、実際使用してみてどうですか?

たとえば災害等が起こり、他の会社から写真がアップされても、まず地図情報から現場の位置が分かるので知らない先でも向かえますよね。次に写真で現状が分かり、何が必要か判断の参考になります。
逆にこちらの情報も発信できますからね。実際に発動になれば、非常に有効ですよね。

--地元からの緊急依頼とかありますか?girl6

台風があったりして、消防出動の前に通行の足を確認・確保するのが私たちの役目です。地の利を生かし、協力できる事を非常に誇りに思ってます。

--そうだよね。その地域に生活しているからこそ、分かることが沢山あるもの。じゃあ、今抱えている不安ってありますか?

不安とはちょっと違うけど・・・どんなにIT化になっても建設業は必ず人の手が必要、いつの時代になってもそう思う。建設業の有資格者が増え、後継者となり、継続へと続いていけばなあと思う。

--逆に将来の夢は?

自分の教えてきて貰った事を、次の世代に伝える事かな。

--最後に後輩たちへのメッセージをお願いします。girl3

数少ない女性職種であるけれど、男女同等数くらいになって、女性とか男性とか考えることなくいられたら良いかな。女性の権利–なんて振りかざさずに。女子だから・・・なんて言葉に縛られず、もっと自由に可能性を見つけて欲しいと思います。

終始にこやかな山崎社長さんと南方さん

会社玄関前にて山崎社長さんと南方さんと一緒に

お二人で現場から駆けつけて、インタビューに応じて頂きました。
南方さんと話している時は、社長さんが隣でニコニコ。
社長さんと話している時は、南方さんが隣でニコニコ。
ともすれば脱線して違う方向に話が流れてしまう私の話を、終始にこやかに聞いて
答えて下さった山崎社長さん、南方さん、有難うございました。
『イチから教えてやる』と男気あふれる社長の言葉、それに応えた南方さん。
じゃあね--と又現場に向かうお二人をちょっと羨ましく感じました。

              インタビュアー  (株)山本組 山本由美子