~お客様に寄り添い、心を込めて… 元気で明るい現場のムードメーカー~

株式会社栗木組で働く、出川奈美恵さんにお話をお聞きしました。

組織名:株式会社 栗木組
所属部署:工事部 建築課
お名前:出川 奈美恵(でがわ なみえ)
建設業での経験年数:27年

建設業に入職したきっかけ

高校への進路を決める時、高卒で働くとしか考えていなかったので職業高校を選択しました。商業…違うな、家政科…無理だななんて考えているうちに、中学の先生に建築科がその当時女子が多く在籍していることを教えてもらいました。自分の部屋の模様替えなどすることが好きだったので、建築科へ進学しよう!そこが始まりでした。その後就職活動…そこでも設計は向いてない、現場って何をするかよくわからないけど、自分には体を使った仕事をする方が向いているな、そして母の内に秘めた思い「実家から通ってほしい」が伝わり、地元へ就職しました。そして祖父もOBだったので、会社へ面接に行った際もその当時の社長さんに快く受け入れていただきました。まだまだ女性の少ない時代、会社側も受け入れ態勢をしっかりとってくれ、産休、育休、退職、再雇用(パート~正規社員復帰)と会社がバックアップしてくれ、気が付いたら27年目に突入となりました。

現在の業務内容

基本的には、建築工事の現場代理人です。現場だけでなく依頼があれば、打合せ・計画・見積とやらなければならないこと盛りだくさんです。しかし、一人では容量オーバーとなることの多い私です。今は長いことコンビを組ませていただいている長老上司に手を借り何とかこなしているところです。住宅・コンビニ・倉庫・公共の修繕などご依頼ある限り。時には作業員Aとして力仕事を行うこともありますが、日々楽しく過ごしています。(時に若手・上司への叱咤激励やおしゃべりにてコミュニケーションとるのも私の仕事^^だと思っています。)

この仕事で一番うれしかったこと

やっぱり、お客様に喜んでいただいた時です。「栗木組さんにお願いしてよかった。」「ありがとう。」とお言葉をいただける事です。中でも、2011年に計画から竣工までに携わった現場は、私にとって本当に成長できる現場でした。3.11東日本大震災、建築資材が次々と出荷に影響が出ました。当初の構造からの変更・建材の調達と自分一人では何もできないことでした。多くの下請け業者の方々が支えてくれました。施主さんも理解してくれました。自分一人では乗り切れなかった、人と人とのつながりがすごく大切なんだと思い知らされた経験です。私にとってとても貴重な現場でした。自分が「ありがとう」をいただくととてもうれしいので、私も常に「ありがとう」「お疲れ様」の言葉を皆さんに伝えています。

今、不安に思っていること

人手不足に限ると思います。現場代理人以上に職人さんです。年齢が本当に高齢化、この先10~15年後、大工さんは?左官屋さんは?どうなるのだろうかと。また、働き方改革により時間が制限・週休2日と働く時間が少なく、人員不足ということは今までのようなに多くの業務を消化しきれなくなる、いったいどうなるんだろう??? また自分的には体力と気力が不安です。子育て時期は若かった。どんな無理も利いたけど、この先介護がからんできたらどうなるのかと…考えても考えても答えが出てこないですね。

これからやりたいこと

いろいろな大変なこともありますが、毎日笑顔で楽しい日々を送りたいです。その楽しんでいる姿を、苦労してもやりがいのある仕事であることを若手に知ってもらいたいです。何もなかった所に建物が建つ、畑だった所に道ができる、そこに自分が携われるのです。全く同じことなんてないのだから、どんなに辛くてもゴールがあるのだから頑張れると次世代に伝えたいです。プライベートでは、いろんな所に旅行に行ってみたい。暇さえあれば一人、ネットで検索旅行中…いつかここへ・あそこへと思いを描いている最中。実現する時はいつだろう…。


建設業界に27年のキャリアを持つ女性技術者です。柔軟な勤務体系と周囲のサポート体制が整った職場環境だったから、子育てと仕事の両立ができたと笑顔で話してくれました。育児の経験を通じて時間管理や調整力は現場の多忙なスケジュール管理にも役立っているとのことです。これからの建設業界を担う若い人たちを育てることができる、心強い千桜会(上小支部女性部会)メンバーの一人です。

インタビュー担当:株式会社宮下組 石塚夕起