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【後半編】
今回は女子部会インタビュー第8回目の株式会社相模組の西澤千奈さんの後半編です。

モデルハウス内スタッフルームにて

--今までこの業界で働いていて嬉しかったことあります?girl4

お客様のご要望を聞いていくと、職業柄お客様の声を聞いているだけで空間が浮かぶの。でもそれはいくつかの言葉を聞いただけで出来たものなので、次の打合せで違っていたことに気づいたり“このお客様はこういう時間を過ごしたいんだ”みたいなのがどんどん出てきて、何度もすり合わせをしてお客様の理想に近づけるってことを私の頭の中でやっていることに気が付いたんです。

例えばあるお客様に「実はこの家具を置きたかったんです」て急に言われて、その家具を置く場所がどこにもなかったので、サイズを測ったあとで「リビングに置くようプラン作り直しますね」て言っていたら電話がきて、「あの家具のために空間を変えるのはもったいないので、家具は親戚に譲りました。そのままのプランでお願いします」て言われたときに、自分がそのお客様の時間の逆演出をしたんだなって、それがお客様に喜ばれたんだなっていうときが、一番楽しい・嬉しいときです。

--逆に大変だったことってあります?プランニングって、楽しいけど大変ってことがあると思うんですけど

以前勤めていた会社で、自分が想像してお客様と合意したのとは違う建物が建っていたってことがあって…そのおうちは小屋裏部屋(屋根裏部屋)をつくったんですけど、そこに小屋束(こやづか)っていう柱がまんなかにバッチリたってて、えっ!?て感じで、しかも連休前で職人さんがその日からお休みっていう夕方に…もう内臓が出ちゃうんじゃないかって思いました。

あと、営業担当とはなんぞやってことを教えられたのは、タイル張りが標準仕様の建物ということですごい量のサンプルの中からタイルを選ぶことができる家で、その中に別の営業さんが使ったらしく標準じゃないのが入っていたのに気が付かないままお客様にサンプルをお渡ししたらそれがいいって言われて、その品番で契約もして。そしたらそれって150万円くらいプラスになるタイルで、その時に当時の会社の社長から「赤字が出たよってときに、お前にその請求が行くわけじゃない。だからもっと頭使え。お前の責任だからお前がやれ」って。

だからひたすら毎日毎日夕方になると謝りに行って。お客様にとっては一生の家づくりですごい打撃を与えるわけで、それを最小限にしたい。でもお客様の要求を通せば会社が損を被るわけで、そこも最小限にしなきゃならないってなったときに、営業とはその間に立ってる人間なんだってことを痛感しました。その後お客様の満足も取り、会社の痛手もなく結果を出したときに“やったー”て思った。お客様が満足してくれなければOKではないんだって。一番営業ってものを痛感させられた、そしてすごく精神的に大変だったなって経験があります。

--最後に、後輩や周囲の人にメッセージを・・・

息子に対して…みたいな感じになるんですけど、アドバイスするなら素直でいることかな?あとは普通どうとかじゃなくて、会社じゃなくてもどこにいても今自分が生きているこの状況、自分が何らかの理由でここに座っている状況をちゃんと踏まえた状態でものを考えて欲しい。どれだけ家っていうものに興味をもってインターネットなどで画像をみるとか、自分の暮らしを工夫してみるとか、人の家を見たときに自分だったらこうするかなっていう目線でものをみることでプランニング力が磨かれていくと思う。あとは真面目にプランの訓練あるのみですかね。

モデルハウス前にて西澤さんと一緒に

色々なことに興味を持って思い立ったらすぐ行動に移すその行動力・バイタリティに圧倒されました。また、様々なことをご家族や周囲の方々を通じて学び、発信していこうという千奈さんの考え方がとても素敵だと思いました。

              インタビュアー (株)相模組 倉科里絵